中学生の悩みを構成する因子は、寄与率の高い順に、第I因子〔指導者による承認と信頼の欠如〕、第II因子〔勉学への意欲・興味の欠如〕、第III因子〔友人からの孤立〕、第IV因子〔将来への展望の欠如〕、第V因子〔親による承認と信頼の欠如〕、第VI因子〔疲労感〕、第VII因子〔性格に関する劣等意識〕の7因子となった。因子得点にもとづき学業成績差を検討したところ、学業成績の差が悩みに影響を及ぼしていることが明らかとなった。しかも、その影響は一様ではなく、発達段階(学年)に応じて異なった効果を及ぼすことが示唆された。