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  • 标题:沖縄本島住民の歯冠形質
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  • 作者:埴原 和郎 ; 増田 哲男 ; 田中 武史
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1974
  • 卷号:82
  • 期号:1
  • 页码:75-82
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:九学会連合沖縄調査団の一員として, 筆者らは1971年11月, 沖縄本島本部地区・今帰仁(なきじん)村・兼次(かねし)中学校において, 同校生徒の歯冠形質に関する調査を行なった.調査対象は約230名の生徒であったが, この中からむし歯, 欠損などのほとんどない個体60名 (男34, 女26) をえらび, 永久歯の硬石膏模型を作った.今回調査した歯冠形質は次の通りである.1.シヤベル型 (I1), 2.第6咬頭(M1), 3.第7咬頭 (M1), 4.denecting wrinkle (M1), 5.protostylid (M1), 6.CARABELLI結節(M1).これらの形質はいずれも, 人種により出現率をことにし, 集団間の差, あるいは類似性をよく表わすものである.シャベル型切歯については, すでに報告した方法(HANIHARA et al., 1970)によって舌側面の深さを計測し, その数値に基づいて分類した (Table1).またCARABELLI結節については, 歯冠の舌側面から多少とも分離した尖端をもち, いわゆるcusp typeを示すものを数えた.全体として沖縄島民の歯冠形質の出現率は本州住民およびアイヌによく似ており, ついでPima Indianに近い.しかし白人とは大きくことなる(Table 2, 3).このことは, FISHERおよびSMITHの方法により, 各集団間のいわゆる生物学的距離を計算すると一層明らかとなる(Table 4, Figure 1).さらに, 林(HAYASHI, 1952, 54) の数量化理論第4類モデルにしたがって, 各集団の位置を1次元的に表現すると, 沖縄島民は本州住民とアイヌとのほぼ中間に位置することがわかる(Table 5, Figure 2).従来, 沖縄島民の近親性については, アイヌに近いとする見方と, 本州住民の地方型であるとする説があった.この研究では, 上述の通り, 沖縄島民とアイヌとが比較的近い位置にあることが確かめられたが, このことから直ちに, 両者が共通の起源をもつと結論することはできない.なぜなら, 沖縄島民はアイヌと同じ程度に本州住民にも似ており, また一方では, 歯冠形質に関して, アイヌとの共通性を積極的に証明する特徴が見あたらないからである.したがって両者の類似性は, 共通の起源によるというよりも, むしろ集団の形成過程における, 環境の類似性に起因するように思われる.最近の研究によれば, アイヌは一般化したモンゴロイド集団に由来するとの可能性が示唆されているが, この集団が比較的長い間, 周囲から隔雑され, 古代的特徴を残しやすい状態にあったという点は, 沖縄島住民にもある程度共通していると考えられる.したがって, 沖縄島住民, あるいは広く琉球諸島住民とアイヌとの類似性が, モンゴロイドの一般化形態に起因するものかどうかという点について, 今後さらに広範な分析を行なうことが必要と考えられる.なお本研究における統計学的計算は, プログラムNONMETおよびCQUAN 4により, 東京大学大型計算機センターにおいて行なわれた.
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