文章基本信息
- 标题:日米混血児の胴長•腸骨棘高•肩峰幅•腸骨稜幅の長期観察
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- 作者:須田 昭義 ; 保志 宏 ; 江藤 盛治 等
- 期刊名称:Anthropological Science
- 印刷版ISSN:0918-7960
- 电子版ISSN:1348-8570
- 出版年度:1973
- 卷号:81
- 期号:3
- 页码:185-194
- 出版社:The Anthropological Society of Nippon
- 摘要:神奈川県大磯町に沢田美喜女史によって設立された混血児のための施設エリザベス•サンダース•ホームに生活する混血児たちの発育を,同女史のご好意とご協力とによって20年にわたって長期観察を続けることができた。本報告はその第3報であって,第1報は1965年に身長•体重について,第2報は1968年に胸囲坐高について,いずれも人類学雑誌に発表した。今回,分析にとりあげたのは6才から15才まで完全に追跡することのできた男児60人,女児31人である。彼らは,父親がアメリカ白人である者(1-W)と,アメリカ黒人である者(J-N)とにわかれるが,母親はすべて日本人である。父親がアメリカ人でない者,母親が日本人でない者は除外した。計測は毎年2回Martinに従って行ったが,肩峰幅と腸骨稜幅は45cm測径器を用いて測定した。比較資料としては,アメリカ白•黒人のデータがKROGMANによって発表された('70)。これは個人追跡を主体とするもので,その対象児の出生年は混血児のそれとほぼ同じ頃に当る。その点,比較に際して時代差を顧慮せずに済むので好都合である。日本人のデータとしては東福寺('57)と木田ら('57)を用いた(いずれも関東地方人)が,前者は横断的,後者は完全な個人追跡研究である。ただし,木田らの身長は文部省発表の同時代日本人に比して著しく小さいので,比較には東福寺に無い腸骨稜幅とそれに関連する示数のみにとどめた。比較資料の示数項目はすべて本論文の著者らによって平均値から算出されたものである。I.年令変化。絶対値•示数とも,混血児•アメリカ人•日本人の間に差がなく,年令変化の経過は3者ほぼ平行している。従って年令変化の進み方に関しては,人種差も混血児の特殊性も認められない。II.混血児と親群との比較a)黒人系混血児(J-N)と白人系混血児(1-W)との比較。胴長•腸骨棘高•肩峰幅の平均値は男女とも差がない。腸骨稜幅は女子でのみ1-W>J-Nである。比腸骨稜幅は男女とも差がなく,比肩峰幅は男女ともJ-N>J-W。比胴長は男子のみJ-W>J-N,比腸骨棘高は男子のみJ-N>1-Wで,女子はいずれも差がない。肩腰示数•胴脚示数によれば,白人系混血児は黒人系混血児に比して胴がながく脚が短かく,肩がせまくて腰が広い体形であることを示している。これはアメリカの白人と黒人とのちがいをそのまま反映している。b)親群との比較。Table1.は混血児がどちらの親に似ているかを矢印で示したもので,右向きは日本人に左向きはアメリカ人に似ていることを示している。実線は,似ている群とは有意差なく似ていない群とは有意差があることを示し,点線はどちらの群とも有意差は認められないが,平均値は矢印の群に近接しているてとを示し,等号は3者の値が酷似するてとを示す。一見してわかるように垂直方向の項目はすべて日本人に近似している。これはGREULICH,ETOらが在米二世の坐高について,その日本人近似性を指摘している事実と符号する。恐らく日本人の遺伝的要因がかなり強力なのであろうと思われる。しかも混血児は日本人と同じ環境で生育したのであるから,日本人近似性がなお一層強調して現われたものと考えられる。しかしながら横方向の項目は矢印の向きがまちまちである。肩峰幅•比肩峰幅は全部左向き,つまりアメリカ人に近似している。腸骨稜幅•比腸骨稜幅はばらばらであって,しかも8本の矢印のうち,実線は2本しかない。従って統計的検定にかかるほどの差はないとみなしてよいであろう。肩腰示数の傾向は若干の興味を引かれる。白人系混血児は日本人に,黒人系混血児はアメリカ黒人に近接するのであるが,これはまた別の観点からみると,いずれも両親のうち平均値の小さい方に近接しているということなのである。肩腰示数が小さいというてとは,相対的に男性的体形であるてとを表わすもので,混血児にあるいはそのような傾向があるてとを示すものかもしれないが,本研究の範囲内では断定はできない。