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  • 标题:現代日本人頭骨の地理的変異に関する分析
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  • 作者:埴原 和郎 ; 河内 まき子 ; 小泉 清隆
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1982
  • 卷号:90
  • 期号:Supplement
  • 页码:139-152
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:1979年,「現代日本人頭骨研究班」が発足し,現在までに男性頭骨711個体の計測値および非計測的形質の頻度について,基本的統計量の計算が行なわれた。この研究班の目的は,現代日本人の頭骨にみられる地理的変異を分析し,合せて種々の統計量を算出して,今後の日本人に関する研究に広く応用しうるデータを提供しようとするものである。女性頭骨については1981年に計測および観察を行ない,1982年に計算を実行する予定である。本研究は男性頭骨についてえられた計測値により,現代日本人頭骨の地理的変異を明らかにするために行なわれたものであるが,この分析はその第1段階であって,今後さらに詳細な研究を行なう必要がある。本研究で用いた頭骨は欠損値のない476個体で,本州および九州の11地域およびアイヌ(東大•小金井資料)を含む。計測項目は下顎骨を除く26項目であるが,これらはあらかじめ,種々の分析によって選択されたものである(HOWELLS, 1973; HANIHARA, 1979)。以下,本文の各章について要約する。1) アイヌを除く日本人11集団に対して分散分析を行なった結果,13項目に有意な集団間の差が認められた。このうち眼窩幅,眼窩高および最小前頭幅は誤差分散が大きいので,これらを除く9項目を,以下の分析に用いることにした。2) 距離分析: 各地域間の変異の大要を知るため,12集団について距離分析およびクラスター分析を行なった。今回は MAHALANOBIS の D2 および PENROSE の形態距離(Cz2)を計算したが,この両者の結果はほぼ一致する。そこでこれらの形態距離によりクラスター分析を行なったところ,近畿,大阪およびとくにアイヌが他の集団と大きく離れることがわかった。3) 主成分分析(PCA): 上記の変異,とくに近畿,大阪およびアイヌの特徴を明らかにするたあ,9項目に基づく PCA を行なった。その結果,3個の主成分が抽出され,それぞれ頭骨の長さと顔面の深さ,頭顔部の幅および頭骨の高さの因子と解釈された。なお,各集団の主成分スコアによってさらにくわしい変異の実態がわかるが,この点については本文を参照されたい。4) 示数の主成分分析: 以上の結果より,頭骨の変異に関して重要な情報をもつと思われる5種の示数(頭骨長幅示数,頭骨長高示数, KOLLMANN 上顔面示数,眼窩示数,鼻示数)を用いて PCA を行なったところ,主要因として脳頭骨形態,顔面形態および鼻の形態が抽出された。これら3種の主成分スコアを比較すると, Table 10のように要約できる。以上のことから,とくに脳頭骨形態が重要な情報をもつことが明らかとなり,またこの形態によって分類すると,現代日本人は高•短頭群,中間群および低•長頭群にわけることができる。これは,従来生体計測によってえられた結果とほぼ一致し,現代日本人は頭形に関して,近畿を中心とする西日本の大部分と東日本に区別することができる。この結果は,朝鮮半島より渡来した移住者の影響を考える金関らの仮説にも矛盾せず,また東日本ではこの影響がほとんどみられないとする鈴木の仮説とも矛盾しない。つまり,少なくとも西日本では,弥生時代以降の移住者の影響を無視することはできないと考えてもよいであろう。しかし一方では,単純なクラインとして認めがたい微小な地理的変異があり,これらは各地域の特異性を反映しているものと考えられる。今後,日本人の起源,あるいは小進化を論ずるには,これらの変異についてさらに詳細に分析する必要がある。
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