首页    期刊浏览 2024年12月02日 星期一
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文章基本信息

  • 标题:先史時代と歴史時代における歯と顎骨の不調和
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  • 作者:伊藤 学而 ; 塩野 幸一 ; 犬塚 勝昭
  • 期刊名称:Anthropological Science
  • 印刷版ISSN:0918-7960
  • 电子版ISSN:1348-8570
  • 出版年度:1983
  • 卷号:91
  • 期号:1
  • 页码:39-47
  • 出版社:The Anthropological Society of Nippon
  • 摘要:不正咬合の成立要因の1つとして,歯と顎骨の大きさの不調和,すなわちが discrepancy あるが,これは同時に,う蝕や歯周病などに対しても病因性をもつことが指摘されている。その成因は,人類進化の過程における歯と顎骨の縮小の不均衡によると考えられるが,その頻度は歴史時代において著しく増大し,この結果,現代日本人では,discrepancy が認められるものの頻度は60%を越えるに至っている。このようなことから,discrepancy の問題は,歯科医学にとっても,人類学にとっても,きわめて重要な研究課題であると考えられる。そこで,先史時代と歴史時代における discrepancy の変遷とその増大の機構について検討するため,古人骨および現代人について分析を行った。古人骨資料として,東京大学総合研究資料館,人類先史部門所蔵の日本人古人頭骨のうち,上下顎骨が揃い,歯の欠損が少なく,生前の咬合状態がほゞ再現できると思われた122体を用いた。また,現代人の資料としては,岩手県衣川村住民290人についての調査結果を用いた。Discrepancy の分析には,咬合状態の直接診査によってその有無を判定する定性的な分析と,歯および歯列弓の計測と頭部X線規格写真による補正によってその大きさを算定する定量的な分析とを行った。この結果,discrepancy の頻度と大きさは,時代による多少の変動を伴いながらも,後期縄文時代から現代に向ってともに増大し,しかも現代に近づくにつれて増大の速度が増したことが確かめられた。また,この増大がすでに指摘されているように,歯と顎骨との相互に同調しない変化によってもたらされたことも確認された。とくに,歯列弓の大きさの変化が少ないにもかかわらず下顎前歯の前方傾斜の増大が著しいことから,discrepancy の増大には顎骨の縮小がきわめて大きく関与していることが知られた。このことは,また,顎骨の大きさの変動と discrepancy の変動とが0.83という高い相関係数を示すことからも明らかであったが,一方,身長の推移とはとくに有意の相関はないように思われた。先史時代と歴史時代における discrepancy の変動はこの間における咀嚼機能量の変動を反映していると考えられのるで,食生態の推移についても考察を試みたが,これについてはまだ不明の点が多かった。今後の方向としては,discrepancy の増大をもたらしたと考えられる食生態の歴史や,これによる歯科疾患への影響などについての一層の検討が必要であると思われる。
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