出版社:Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
摘要:複数の組織などに分散的に保存されたデータベースに対して,プライバシーを保護しながら協調的にクラスター構造を抽出することで,単一のデータベースのみからは知ることのできない潜在的な知識を発見する試みが種々提案されている.本論文では, k -Means型のプライバシー保護モデルを線形ファジィクラスタリングへと拡張するために,最小2乗基準を用いたFuzzy c -Lines(FCL)法に暗号化計算機構を導入する手法を提案する.要素ごと近似に基づくクラスタリング基準の利点を活用することで,データを保持する組織ごとに局所的な主成分ベクトルを算出することを可能とする.数値実験においては,人工データを用いて提案手法の特性を検証するとともに,センサーデータからの人の行動分析への適用を通して,有効性を検証する.