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  • 标题:言語進化に関する文献紹介
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  • 作者:外谷 弦太
  • 期刊名称:認知科学
  • 印刷版ISSN:1341-7924
  • 电子版ISSN:1881-5995
  • 出版年度:2020
  • 卷号:27
  • 期号:1
  • 页码:76-83
  • DOI:10.11225/jcss.27.76
  • 出版社:Japanese Cognitive Science Society
  • 摘要:「言語」を扱う能力は,ヒトという生物種に特異的に観察されるため,我々自身の本性を知るための大きな手掛かりの一つとして,主にそのメカニズムと発達に関して数多くの研究がなされてきた. 2000 年代に入り,言語能力の生物進化,および言語構造の文化進化を研究対象とする「言語進化学 a 」という分野が盛り上がりを見せている.本稿では,ヒトの言語能力の進化に関して最新の知見に基づいた仮説を提唱している3 編の論文を紹介する.言語能力と一口に言っても,「言語」が重要な役割を担う局面は多岐に渡り,その見方や研究の方向性は研究者間で一致しないことが多い.鳥瞰すると,「言語」という形質を「思考の道具」と捉えるか,「コミュニケーションの道具」と捉えるかを分水嶺として,それぞれの流域で多様なニッチが構築されているように見える. 第1 論文は,言語を「思考の道具」とする流れの本流をいく.この論文は,人間言語の生産的性質および普遍的性質を最も早くに指摘し,人間の思考を形式的に分析する手法をもたらしたN. Chomsky が提唱する,「併合」と呼ばれる階層構造生成能力の突発的進化仮説を説明する.対する第2 論文は,言語を「コミュニケーションの道具」とする流れに属し,言語進化に関する最大の国際学会であるEVOLANG において大きな影響力を有しているS. Kirby によるものである.この論文は,言語構造の文化的形成とその生物進化への影響を論じ,言語能力と文化の共進化仮説を提唱している.つづく第3 論文は,二つの大きな流れを合流させようと試みているものを選んだ.ヒトの現代的な認知に関わる神経機構の形成を説明する文脈において「(脳の)球状化」という現象が,ヒトの向社会的行動を説明する文脈において「自己家畜化」という現象が,それぞれ注目されている.この論文は,言語能力の出現をはじめとするヒトの跳躍的な形質変化に対して,二つの現象の根底に存在する遺伝子の関連性を探索している.各論文は仮説の比較検討を行うためのものではなく,主張や証拠が部分的に補い合う関係をもつものと捉え,用語や論証手続きを整理した.紙幅の都合上,省略している説明や引用もあるが,気になった点についてはぜひ元論文を参照していただきたい.現在の言語進化研究は,一度分かれた水系が合流する地点に来ており,第3 論文はその有望な試みである一方,分子生物学における個別具体的な事実の探索から先へと進むのは容易ではなさそうである.言語進化という現象の理論を構築するためには,より抽象的な認知システムおよび生態システムのダイナミクスとして「球状化」や「自己家畜化」を捉えなければならず,それには認知科学の力が必要不可欠である.本稿をきっかけに,一人でも多くの方が言語進化研究に興味を持ってくれたなら,紹介者としてこれに勝る喜びはない. a 新学術領域「共創的コミュニケーションにおける言語進化学」では,昨年若手の会が有志の手で結成され,学部生から教員まで,分野を超えた議論が行われています.興味をもたれた方はぜひご参加ください..
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