本研究の目的は,R.Schumann 作曲《子供の情景》とA.C.Debussy 作曲《子供の領分》の旋律を計量比較し,作曲家ごとの子供らしさの描写の差異を明らかにすることである.本研究では《子供の情景》と《子供の領分》の共通点・相違点を探るために,比較対象として同時期に作曲された両作曲家の作品群を用意した.計77 曲のデータから音高の使用頻度を特徴量として抽出し,線形判別分析を用いて両作曲家の「子供らしさ」の差異を明らかにした.