希少糖の1つであるd-アラビノースの機能性食材としての利用の可能性を検討するために,ラットに50%(w/v)のd-アラビノース溶液を10~14 g/kgの範囲で段階投与し,急性毒性試験を行った.その結果,半数致死量(LD50)は,雄で12.1 g/kg,雌で11.6 g/kgと算出され,普通物であることが示唆された.一方,短期毒性試験では,今回の実験における食餌中への最小添加量である5%添加でもd-アラビノースの影響と思われるいくつかの症状が認められたことから,無毒性量は5%添加未満と推定された.すでに食品素材として利用されている希少糖d-プシコースは,10%の食餌への添加で毒性が見られないと報告されていることから,d-アラビノースはd-プシコースに比べて毒性が強いと推察された.以上の結果から,d-アラビノースを機能性食材として利用できるか否かについては,さらに詳細な検討を要すると考えられた.