本研究では,剥皮性にすぐれるものの,加熱加工時に実割れしやすい ‘ぽろたん’ の冷凍果実を用いて甘露煮を製造し,貯蔵条件の違いが甘露煮の品質に及ぼす影響について検討した.その結果,冷凍果実を甘露煮に使用する場合,0℃,1ヶ月程度の冷蔵を行い,剥皮を行ってから冷凍すると実割れ率が低減出来ることが明らかとなった.また,冷凍することで,収穫直後あるいは冷蔵果実を用いた場合よりも最大応力,もろさ応力の低い,すなわち柔らかく歯ごたえの少ない甘露煮に仕上がることが分かった.処理区間の色調への影響は小さかった.さらに,冷凍の際の真空処理により果実の最大応力が高まることも明らかになった.