2015年から2016年にかけてのごく短い間に,私たちの学会は3人の偉大な先達を相次いで失いました。大村政男先生(1925年10月4日生,2015年10月31日逝去),星野命先生(1927年8月24日生,2015年11月7日逝去),藤永保先生(1926年10月2日生,2016年1月21日逝去)です。3人の先生はいずれも日本パーソナリティ心理学会の前身である日本性格心理学会(1992年6月設立)の設立発起人,初代の理事として学会の設立に参加され,とくに大村先生は初代の副理事長,2代目理事長として初期の学会運営に大きく貢献されました。
先生方のパーソナリティ心理学への思いは,『性格心理学研究』(現在の『パーソナリティ研究』)の第1巻第1号(1993年3月)に掲載された論文やシンポジウム記録を読むと,いまも強く伝わってくるものがあります。先生方はつねに,パーソナリティとはなにか,パーソナリティをどう捉えるか,パーソナリティ研究の意義はなにか,という根本的な問題を考え続けておられました。私たちも忘れずにそうした根本的,原理的な問題を考え続けることで,先生方の功績を引き継いでいきたいと思います。
『パーソナリティ研究』では追悼特集として,3人の先生方にゆかりのあった会員から,各先生の思い出を語っていただくことで,先生方への追悼に代えることとし,会員の皆様とともに先生方を偲びたいと思います。