お茶の水女子大学学生の体型について、昭和26年成績と昭和36年成績とを比較し、10年を距てた差異について検討を加えた。主な結果は次のようである。 1. 1) 身長は有意な増加を示した(1.5cm)。 2) 肩峰幅・背肩幅はそれぞれ有意な増加を示したが(肩峰幅1.3cm、背肩幅1.8cm)、上肢長では増加はみられず、袖丈はむしろ減少の傾向を示した。 3) 身体躯幹部では、胸部横径・胴囲・胴部横径の3項目に減少がみられ(いずれも1%水準で有意)、特に胴囲・胴部横径の減少が著しい(胴囲2.8cm、胴部横径1.8cm)。 4) モリソンの関係偏差折線によって両年度の体型を総合的に比較すると、昭和33年はいくらか大柄であり、肩幅の広い、胴のくびれた体型と考えられる(第1図)。 2. 衣服寸法に直接関連する10項目の対身長及び対胸囲の相関係数については、両年度はほぼ同様の傾向を示している。しかし胸囲対背肩幅と胸囲対胴囲の2つの相関係数は幾分増加した。