ホウレン草のクロロフィラーゼについて、その諸性質を検討し、次の結果を得た。 1. 酵素反応に最適の条件は25°~30℃、 pH7~ 8で、溶媒のアセトン濃度は50%付近である。 2. 酵素活性は90℃、1分間の加温処理ではほとんど影響をうけないが、90℃、5分間加温により著しく失活する。 3. 酵素は可視光線により阻害をうける。 4. 酵素活性はCa2+、Mg2+、Zn2+、Fe3+により阻害され、とくにFe3+による阻害が著しい。 5. 酵素活性はモノヨード酢酸、K3Fe (CN) 6、アスコルビン酸により阻害され、またNaF、 EDTAにより阻害をうける。