本格焼酎のフルフラール類の濃度分布を明らかにするために,202点の本格焼酎鑑評会出品酒を用いてフルフラール,5-ヒドロキシメチル-2-フルアルデヒド及び5-メチル-2-フルアルデヒドの定量分析を行った。常圧蒸留及び減圧蒸留の酒粕焼酎,減圧蒸留のその他の焼酎の区分では,5-ヒドロキシメチル-2-フルアルデヒド含量の平均値が最も高かったが,それ以外の焼酎ではフルフラール含量の平均値が最も高かった。以上の結果から,一部を除き焼酎に含まれるフルフラール類の一般的な主成分はフルフラールと考えられた。フルフラール含量の平均値は麦焼酎の常圧蒸留で最も高く,次いで泡盛,甘藷焼酎に比較的多く含まれており,常圧蒸留と減圧蒸留では常圧蒸留で高い傾向があった。5-ヒドロキシメチル-2-フルアルデヒドと5-メチル-2-フルアルデヒドは,樽貯蔵で高い割合で認められたことから樽成分の関与が考えられた。