マキャベリアニズム,自己愛傾向,サイコパシー傾向の3特性は社会的に嫌われやすい特性であることから“Dark Triad”と総称される。海外では少数項目のDark Triad尺度としてDark Triad Dirty Dozen(DTDD)とShort Dark Triad(SD3)が作成されているが,DTDDは日本語版(DTDD-J)が作成されているものの,SD3は日本語版が作成されていない。本研究の目的は日本語版SD3(SD3-J)を作成し,その信頼性・妥当性を検討することであった。確認的因子分析の結果,SD3-Jは階層因子構造を有していることが示された。また,SD3-Jのα係数はおおむね十分な値を示した。SD3-Jと既存の尺度との単相関分析,偏相関分析の結果からSD3-Jの併存的・弁別的妥当性,増分妥当性が確認された。これによりSD3-Jが国内において使用に耐えうるDark Triad尺度であることが示された。