(1) 卵白は貯蔵中比較的速かに水様化を起し、同時にpHの著しい上昇がみとめられる。 (2) 室温貯蔵、炭酸ガス気流中貯蔵、紫外線照射貯蔵の三者について、pHの変化をみるに水様卵白、濃厚卵白の間には有意の差はみとめられない。炭酸ガス貯蔵の場合がもっともpHの上昇が少ない。 (3) 卵白蛋白質貯蔵中の変性度をコンゴレッド法により定量するに、炭酸ガス気流中貯蔵がもっとも変性度が低く、室温貯蔵、紫外線照射貯蔵の場合は変性度が高い。これらの実験結果より、卵白水様化にはAlmquist及びLorenzらの指摘するごとく、貯蔵中の炭酸ガスの発散に伴うpHの上昇とこれに伴う蛋白質の繊維構造の変性が一因をなすものと考える。