プルラン,ポリデキストロースあるいはペクチンを10%含有する飼料で4週間飼育したラットの盲腸内容物を嫌気的条件下で採取し,細菌叢を検索した.同時に,盲腸内容物中の短鎖脂肪酸,可溶性糖量,pHおよび重量を測定した.1)盲腸内細菌叢の検索 (1)Bifzdobacteriumの占有率は10%プルラン食群において増加し,総菌数が10%ポリデキストロース食群では増加,10%ペクチン食群では減少した.最優勢菌であるBacteroidaceaeの占有率がプルラン食群で著しく低下し,ペクチン食群で増加した.(2)ビタミン合成菌であるBifidobacteriumがプルラン食群においてのみ有意)に増加したことはプルラン食群ラットの盲腸内ではピタミンB1がBifidobacteriumによって合成され,それを宿主のラットが利用しているものと推察される. 2)盲腸内容物中の短鎖脂肪酸,可溶性糖量 (1)総短鎖脂肪酸濃度が10%ポリデキストロース食群では減少し,10%ペクチン食群では対照群との間に差がみられなかった.これに対し,10%プルラン食群では乳酸,酢酸濃度の顕著な上昇により増加した.(2)10%ポリデキストロース食群の盲腸内容物中に多量の可溶性糖が検出された.