25名の少年(平均10.2歳)と19名の青年(平均21.6歳)とを用いて, 自転車エルゴメーターによる最大運動時の酸素摂取量, 心拍数, 心拍出量, 1回心拍出量および動静脈酸素較差を測定した. また, 少年にはステップテストと800m走を実施した. 最大運動時における少年の呼吸循環機能は青年と比べて著しく差があった. 安静に対する最大運動時の酸素摂取量の増加率は少年で6.54倍, 青年で9.91倍と青年の方が著しく大きかった. これは1回心拍出量の増加率が少年と青年で等しいが, 心拍数と動静脈酸素較差の増加率が青年の方が大きいためである. また, 青年の大きな最大酸素摂取量は1回心拍抽出量の大きさに依存するものと考えられた. さらに, 青年と少年で体重当りの最大酸素摂取量が同じであるのは, 体重当りの最大1回心拍抽出量に差がみられず, 最高心拍数と最大動静脈酸素較差とが相補っているためであろう. 少年の持久性評価の指標として, 体重当りの最大酸素摂取量と最も相関の高い体重当りのPWC_<170>がすぐれていると思われた. 次いで, 持久走であった. ステップテストの得点は回復期の影響を受け, 持久性評価のテストとしては妥当性が低い.