世帯収入別の児童の栄養素等摂取量に対する学校給食の寄与の違いを明らかにすることを目的とし, 小学5年生の児童とその保護者を対象に調査を実施した。世帯収入は保護者への質問紙調査, 児童の栄養素等摂取量は平日2日と休日2日の計4日間の食事調査 (秤量・目安量記録法) により把握した。低収入群と低収入以外群に分け, 摂取量および摂取量に占める学校給食の割合について共分散分析により比較した。低収入群は平日より休日に摂取量が有意に少ない栄養素が多く, 特に昼食で有意な差が認められる栄養素が多かった。また平日, 休日ともにたんぱく質摂取量が有意に少なかった。平日1日あたりの摂取量に占める学校給食の割合には有意な差が認められなかった。休日を含めた4日間の総摂取量に占める学校給食の割合は, たんぱく質, ビタミンA, 食塩相当量で有意な差が認められ, いずれも低収入群の割合が低収入以外群の割合より高かった。4日間の摂取量に対する学校給食の寄与は, 低収入以外群より低収入群の方が高いことが明らかとなった。