運動中,外部の抵抗に打ちかつのに必要な出力パワーは, からだの中で発生するエネルギーの発生率の一部にしか過ぎない.モナークの自転車エルゴメークーを駆動するとき,摩擦抵抗F (kg),スピードV (m/s)および酸素消費量(l/min)を測定した.酸素消費量(l/min)は普通の方法で熱エネルギーの発生率(kcal/min)に換算され,さらに,運動中にからだの中で発生するパワーP (kg・ m/s)に検算される.測定に含まれるランダムな誤差を消去し, 少数の測定結果から全体の傾向を推察するために, 全ての実験データから1つの実験式を作った.すなわち,P = P_0 + KFV + (A + BF + CF^2)V^2 ここに,F,VおよびPは測定値で,P_0,K,A,BおよびCは最小2乗法によって求めた.出力パワーはFとVとの積である.したがって,パワー伝達の効率ηが得られ, η = (FV)/(P_0 + KFV + (A + BF + CF^2)V^2)となる.被検者は2名に過ぎなかったが, 自転車エルゴメーターを駆動するときの最大効率は約21%であった.