非利き手による後方へのテニスボールの的当て課題の習得において,要約フィードバックと自己評価の効果を比較するとともに,これら2つの効果の相互作用を検討することを本研究の目的とした。練習試行は4日間で192試行行われ,保持テストは練習終了3日後に10試行行われた。保持テストにおいて,自己評価と要約の大きさの主効果,及び,交互作用のいずれも有意でなかった。結果についての自己評価の効果については主に,課題への興味のため,いずれの群も自己評価を行ってしまったために差がみられなかったと考えられる。また,要約フィードバックの効果については,本研究課題が変数問の補正関係を学習しなけれぱならないと思われる共変的協応課題であり,要約されたフィードバックでは,各試行においていずれの変数を補正すべきであったかを学習者が特定できなかったために差がみられなかったと考えられる。なお,ボールの落下点と自己評価の誤差が練習試行が増すにつれて減少したことから,エラー検出能力は一時的に向上したことが示された。