生体認証技術は個人認証方式としてさまざまなシーンで導入されている。その技術の一つである顔認証でNECは米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する評価プログラムで4回連続世界No.1の評価を得ている。顔認証には「積極的認証」「非積極的認証」という2つの視点があるが,これから特に注目されるのが後者で,それは認証対象者本人が意識しない,対象者の協力を得ることができないケースでの認証である。この非積極的認証で使われる技術が「動画顔認証技術」である。同認証は画像中から顔を検出,次に特徴的な点を見つけ,顔特徴量を抽出しデータベースと比較,閾値よりも類似度が高い人物を見つけた場合に本人と判定する。動画顔認証では低解像度画像で照合できることが重要で,NECはNISTの評価試験で最高評価を獲得した。顔認証は対象となる顔の提示が必須であったが,時空間データ横断プロファイリング技術のようなその課題を解決する技術も生まれており,いっそうの活用が見込まれる。