沖縄県A自治体の健常な65歳以上の1,525人について, 経済的満足感や生活満足感・主観的幸福感 (精神・情緒的健康) の認知的要因と食品摂取の多様性の, 主観的健康感に対する直接的・間接的な関連を, 性別に明確にすることを目的とした。食品摂取の多様性は, 料理単位の主食, 主菜, 副菜, 牛乳・乳製品, 果物を揃える頻度で評価した。共分散構造分析の結果, 経済的満足感の主観的健康感に対する直接的な関連と比べて, 精神・情緒的健康や多様な食品摂取を介する間接的な関連が, 男女共に大きかった (CFI=0.963, NFI=0.944, RMSEA=0.034) 。主観的健康感に対する直接的・間接的関連を統合すると, 精神・情緒的健康は女性が大きく, 経済的満足感は男性が大きかった。経済的支援を基盤とした精神・情緒的健康を高められる支援は, 食品摂取の多様性を促進し, 良好な主観的健康感と関連を示す可能性が示唆された。