本研究では足裏ジェスチャと名付けた,靴下型の圧力センサを用いた微小な足ジェスチャを利用した入力手法を提案する.本システムでは,ユーザはつま先で地面をぐっと押すなどといった足裏の圧力分布を変える動作でコンピュータを操作する.このような動きは非常に小さいため, ユーザは例えば電車の中といった公共の場でも周囲に迷惑をかけず実行できるという利点がある. 本研究ではまずコンピュータの各種操作に適した足裏ジェスチャを決めるための調査実験を行い,その後,得られたジェスチャセットの認識器を機械学習を用いて実装した.さらに本認識器では,事前に収集した日常動作(歩行や起立など)における足裏の圧力パターンを負の訓練データとして利用し,これらの動作時にジェスチャが誤認識されることを防ぐことを試みた.本稿の最後では本システムの有用性を示すためにいくつかの利用例を提案する.