高密度栽培系における緑豆発芽野菜の栽培プロセス確立のため,緑豆の従属栄養生育挙動の把握と,高密度栽培における効率性について評価した.試験管一個体栽培と単一ベッド式高密度栽培試験を実施し,品温,重量,栽培容器内の酸素濃度,二酸化炭素濃度変化の測定と,重量基準の比生長速度と比酸素消費速度および比二酸化炭素生成速度を求めた.一個体栽培および高密度栽培において,栽培初期,中期,後期と区分される生理的状態の異なる生育ステージの存在が示された.また,高密度栽培において散水量0.6 t/h/台車では重量の有効係数が栽培期間中,高い数値に維持された.散水量0.6 t/h/台車と比べ0.4 t/h/台車では重量の有効係数が低下し,充填層下段の品温上昇と垂直方向で重量と形状のばらつきがみられた.以上の結果から,散水量を制御することで物質移動や熱交換を促進し,高い生産性を維持した高密度栽培が実現できる可能性が示された.