英国の科学技術情報活動を,その産業政策を背景として概観した。英国の情報活動は,科学のルネッサンス以後の科学研究の伝統と産業革命を最初に達成した工業の伝統の上に成立するものである。第二次世界大戦後は,経済復興のための産業政策の中に位置づけられた。1965年OSTIの設立以後,情報処理の電算化,新技術の開発が進められた。1972年,それまで各機関に分散していた機能がBritish Libraryという一つの機関に統合された。ECのEURONET計画に参加するため,INFOLINEが形成された。英国の情報活動は一方では国内の経済復興のために,一方ではEC,UNESCO,OECD等の国際協力網の中で,新しい局面を迎えている。