ロボット関連の技術進展により,学習を支援する場面で活躍する教育支援ロボットが注目されている.このようなロボットの問題点として,学習者がロボットの行動を画一的と感じてしまい,ロボットとの相互作用に飽きてしまう点が挙げられる.一方で,この問題点を防ぐために,Human-Agent-Interaction の分野では,エージェントが感情を持つかのように表情を表出する感情表出モデルが用いられている.実際,ランダムに感情表出するエージェントに比べて,感情表出モデルを持つエージェントは人との相互作用が続くという報告がある.そこで本稿では,感情表出モデルを基に表情の表出を行うロボットが,学習者と共に学習することによって及ぼす心理効果について検討する.