マイクロ波照射による前処理と熱風乾燥によりドライフルーツを製造する特許手法を用いて,ブドウのセミドライフルーツを作製する場合の加工適性を検討した.ブドウの果粒にマイクロ波を一定時間照射した後で熱風乾燥を行えば,前処理を行わない場合より乾燥初期の含水率の低下が大きく,セミドライフルーツを製造する乾燥時間が約6割短縮された.また,果皮が黄緑色および赤色のブドウについては,この製造法により作製したセミドライフルーツは褐変が少なく,それぞれ黄緑色および赤色の色彩をやや残していた.さらに,本製法によれば,マスカット香,フォクシー香など,ブドウ固有の風味をやや残すことができた.本製法によりブドウ6品種のドライフルーツを製造したところ,果皮が比較的薄く,皮ごと食べやすい品種の食感が良好であった.