農林61号全粒粉の低アレルゲン化を目的に,麹,酵母,納豆菌から10種の菌株を選択し,24∼72時間発酵させプロテアーゼ活性を測定した.さらにSDS-PAGEおよびキャピラリー電気泳動でタンパク質変化と小麦アレルギー患者血清を用いてアレルゲン性を確認した.その結果,10菌株のうち納豆(千葉)由来 Bacillus subtilis による発酵が,プロテアーゼ活性が高く,患者血清よるIgE結合性でも82%の低下を示した.HPLCとLC-MS/MS分析から,低減化したタンパク質は γ -グリアジンおよびLMW-GSであることを明らかにした.