プログラムの実行時情報はプログラム理解に有用であることが知られており,Omniscient Debuggingなどのツールを使うことで開発者は実行の任意の時点の状態を調査することができる.これらのツールはある1つの時点の状態を分析するには有効だが,複数の実行経路を持つようなメソッドの動作を理解するには不十分である.そこで本論文では,REMViewer (Repeatedly-Executed-Method Viewer)というJavaメソッドの複数の実行経路を可視化するツールを提案する.このツールはプログラムの実行を記録しておき,メソッドの1回ごとの実行経路を別々のビューとして表示するので,開発者は興味のある実行パスを選択し,それらの実行パスにおける局所変数の状態を比較するといった分析が可能となる.