GC-MS/MSを用いて迅速に実施できる農産物中の残留農薬一斉分析法について妥当性評価を実施した.キャプタンに代表される易分解性農薬の分解を抑制するため,試料に1/2重量の10%リン酸を加え均一化した.均一化した試料からアセトニトリルで抽出後,硫酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムで塩析脱水し,アセトニトリル層をC18およびGCB/PSAミニカラムで精製した.試験溶液にPEG300を添加してGC-MS/MS測定時における農薬ピークのテーリングを抑制した.9種類の農産物に対し170農薬を添加して妥当性評価(添加濃度0.01および0.1 μg/g,2併行5日間)を実施したところ,各農産物につき147~164種類の農薬がガイドラインの目標値を満たした.