本研究の目的は,情報プライバシーを複数の次元から測定するプライバシー次元尺度(MPS)を作成し,信頼性および妥当性を検証することであった。大学生371名(男性124名,女性247名)が質問紙に回答した。因子分析の結果,自己情報に対するプライバシーは六つの次元(趣味嗜好性(6項目),最近過去の経験(6項目),所有物(6項目),連絡先(3項目),外見身体的特徴(4項目),価値観(4項目))に分類された。信頼性は,α係数と再検査信頼性係数を算出して検証した。また,MPSとプライバシー志向性および自己開示傾向との関連を検討することで妥当性を確認した。その結果,MPSは十分な妥当性と高い信頼性を持つ尺度であることが示された。