PS類を分析時に,PS類を含まない豚肉から,薄層クロマトグラフィー,比色法ともに陽性となる偽陽性成分の同定と除去法を検討した. (1)豚肉抽出液よりTLCで分画,LC-MS/MSで測定したところ偽陽性成分は脂肪鎖長が異なるホスファチジルコリンであると考えられた. (2)現行法の精製に用いられる固相抽出カラムをシリカゲルクロマトグラフィーからリン脂質除去カラムに変更することにより,公定法で偽陽性となるホスファチジルコリンを除去できた. (3)上記(2)の操作において,溶出をジクロロメタン·メタノール混液(2 : 1) 50mLで行ったところ92%のPS80が回収できた.