キノアを原料として,きのこの発酵作用を用いた味噌を製造することを目的とし,味噌作りに適したきのこ株の選抜を行った.キノア固体培地上できのこ株を培養してキノア麹を作製した.このキノア麹のプロテアーゼ活性を調べ,高いプロテアーゼ活性を有するきのこ株14株を選抜した.選抜した14株についてプロテアーゼの耐塩性試験を行った.その結果,5株の食用きのこ株において耐塩性がみられた.5種のきのこ株を使用してキノアを原料とした味噌の作製を試みた.出来上がったキノア味噌は味噌特有の香りを呈していた.また,キノア味噌に含まれる遊離アミノ酸および抗酸化活性は発酵前と比べて増加しており,その量は市販米味噌に近かった.