本稿では,微細なPSP,TSPドット配列からなる,新たなPSP・TSP複合センサについて紹介する.PSP及びTSPのドット配列は,インクジェットによる微細パターニング技術を応用して形成した.この配列型複合センサは,従来のPSP・TSP複合センサと異なり,PSPとTSPを微細に塗り分ける点で独創的である.このように塗布することにより,従来の複合センサで問題となっていたPSP色素とTSP色素の間で生じる相互干渉の問題が解消され,さらに各色素に対して最適なバインダーや溶媒の選択が可能となる.作製した配列型複合センサの発光スペクトルや圧力感度,温度感度について調査した結果,混合するとPSP色素とTSP色素間で相互干渉の問題が生じる色素の組み合わせでも,配列型複合センサでは問題なく複合化できることが確認された.さらに実証試験により,配列型複合センサが不均一な温度分布の生じる表面における圧力計測に有効なセンサであることが確かめられた.