本研究では食品産業での米粉の新規用途を見出すことを目的とし,ジェットミルでマイクロサイズまで乾式粉砕した米粉の水和特性と酵素加水分解について調査した.その結果,平均粒径5 μm以下まで粉砕した超微粉砕米粉(白米および玄米)は粒度の粗い米粉(15~120 μm)よりも良好な分散性を示した.分散性は粒径が小さく,損傷澱粉の割合が大きいほど増加した.また超微粉砕米粉は溶解性,膨張力,吸水性指標およびグルコース遊離量が最も高かった.平均粒径5 μm以下に乾式粉砕した米粉は損傷澱粉の割合が30%以上となり,エンタルピの著しい低下を招き,結果的に粒度の粗い米粉とは全く異なる水和特性や酵素加水分解を示した.