The Cambridge Prospective Memory Test (CAMPROMPT)原版を原著者らの許可を得て翻訳して,日本版を作成し,健常者242 名および脳損傷者57 名に実施した。その結果から,検査法の信頼性を検査者間信頼性,平行検査信頼性,内的整合性から検討した。検査者間信頼性について,1 名の評価者と4 名の採点者との一致率 (98.2%) および相関 (1 名はSpearmanʼs ρ= 0.986,3 名はそれぞれSpearmanʼs ρ= 1.000) から,採点方法の信頼性が高いことが示された。平行検査信頼性について,バージョン間の相関(Spearmanʼs ρ= 0.537)から,成績はバージョンの影響を受けないことが示された。内的整合性について Cronbachʼs α は脳損傷群 0.849 と健常群 0.817 から,対象によらず一貫して展望記憶機能を評価することが示された。4 つの年齢別に標準値の作成により,標準化を行った。信頼性の検討を通じて,CAMPROMPT 日本版は,十分な信頼性を有する評価法であることが確認された。