前報迄に於て, 市販赤外線寫眞材料の超増感を試みたが, 本報に於ては, これと種類を異にする低感度額材料略種の超増感を試みた。目的とする所は, この實驗に依り寫眞感光の機構を知らんとするにある。其結果全色性の低感度材料に於ては, タングステン酸銀を用ひて10倍位に感度を上昇することが出來るが, 色素を含有せざるものにあつては, 超増感が効果を有せぬことが判つた。又今回はアンモニアに依る氣浴増感を行つた。更に増感を施した乾板の保存性を測り, 増感後, 醋酸エチルの蒸氣に觸れしめる事に依り, その目的を達する事を知つた。