文化法は、文化領域において法律によって保護されなければならない利益が何かを考察し、それを具体的に政策に反映させていくための研究領域である。本稿では、文化法を法学研究の中で特殊法として位置づけることを確認した上で、とくに文化政策の根拠法ともなりうる (仮称) 文化基本法の原則について、ドイツの憲法にあたるボン基本法や州の憲法における芸術関連条項を検証しながら考察を行う。その上で、文化法の課題を明らかにする。