供試米として旭四号 (京都府産), 雄町 (島根県産), およびカルローズ (カリフォルニヤ州産) の3品種の玄米を用い, それぞれ白米部・胚芽部・糠部の各部位に分けそれらの各部位におけるB群ビタミンの分布を乳酸菌を用いる微生物定量法によって検討した。その結果, 各部位におけるビタミンの含量 (濃度) から米穀粒中のB群ビタミンは (i) ビタミンB1, B2, 葉酸のように胚芽部>糠部>白米部の分布を示すもの, (ii) ピリドキサール, ビオチンのように胚芽部≒糠部>白米部の分布を示すもの, および (iii) ニコチン酸・パントテン酸のように糠部>胚芽部>白米部の分布を示すもの, の3つのグループに大別し得られることが見出された。 また単位玄米中に含まれるB群ビタミンに対する各部位のビタミン含有率を求めた結果, いずれの品種においてもほとんどが糠部に最も多く分布し, B1に関しては糠部に次いで胚芽部に多く, 白米部に存在する量が最も少ないことが認められた。これに対して葉酸では糠部と白米部に分布する量が同程度であった。B2, ピリドキサール, ニコチン酸, パントテン酸およびビオチンではいずれも糠部に最も多く分布し, 胚芽部に存在する量は最も少ないことが認められた。