Sporobolomyces singularis 菌体および Kluyvermyces lactis 由来のβ-galactosidaseを用い生成したガラクトオリゴ糖(GOS)を含む液糖の消化性を調べるために,健常人16名を用い,呼気水素ガス濃度測定試験を行った.GOS摂取群の呼気水素ガス濃度は対照群に比べ有意な増加が認められた.このことより,本混合液糖中に含まれるGOSは難消化性であることが示唆された. さらに,GOSの難消化性成分を明らかにするため,GOSの鎖長により2糖,3糖,4糖画分をそれぞれHPLCにて分取し,画分ごとに消化酵素に対する耐性試験を行った.ヒト唾液またはブタ膵臓α-アミラーゼならびに人工胃液による消化試験では,各画分とも分解はみられなかったが,ラット小腸アセトン粉末により,2糖画分のわずかな分解が認められた. 以上のことから,今回GOS含有液糖摂取により認められた呼気中水素ガス濃度の増加は,含有されるGOSの3糖,4糖画分および一部の2糖画分が小腸の消化酵素による分解を受けることなく大腸に到達し,腸内細菌により資化された結果と考えられた.