本研究は,脱脂した月見草( Oenothera biennis L.)種子からエタノール抽出することにより得られた月見草エキスの血糖値上昇抑制作用とその関与成分を明らかにすることを目的として行った. (1) 月見草エキス中には,単一ポリフェノール成分として,PGG2.7%,没食子酸3.1%,(+)-カテキン3.4%,PB1およびPB3合わせて1.5%の存在が確認された. (2) 総PAC量は41.4%であった. (3) これらの成分について, in vitro でのα-グルコシダーゼ阻害活性の測定およびラットを用いた糖質負荷試験を行った結果,月見草エキスはα-グルコシダーゼ阻害活性に基づく血糖値上昇抑制作用を有しており,その活性本体はPACであることが示唆された.