(1) IS 4Bsu1 遺伝子のサザンブロット解析により,KA-145株と他菌株との間にはバンドパターンの相違があった.また,KA-145株には少なくとも8コピーのIS 4Bsu1 の挿入が確認された. (2) iPCR法を用いて,KA-145株に存在するIS 4Bsu1 1コピーの近傍の染色体領域をクローニングし,塩基配列を決定した結果,このIS 4Bsu1 は bmr 遺伝子に挿入されていることが分かった. (3) bmr 遺伝子内の挿入部位を挟む領域にプライマーを設計し,PCR反応を行った結果,KA-145株では1.7kb,他菌株では0.3kbの断片を確認し,KA-145株と他菌株を識別した.また,検出感度を調べるため,競合PCRを行なった結果,KA-145株DNAに対して10-4のA株DNAの混入が検出可能であることが分かった. (4) 納豆調製液から直接PCRを行ない,KA-145株を用いて製造した納豆"健康の糸"では1.7kb,通常の用途に使用される菌株を用いて製造した納豆"お城納豆マミ"では0.3kb,また,他社市販製品(A,B)では0.3kbのバンドを確認し,製品に使用した菌株がKA-145であることを判別した.