グルタミン酸脱炭酸酵素は動植物界に広く存在する酵素であり,高等植物ではカボチャ,キュウリ,ニンジン,トマトなどに多く含まれる.これらの高等植物の中では,カボチャが最もグルタミン酸脱炭酸酵素活性が強いことがわかり,カボチャのグルタミン酸脱炭酸酵素活性を利用したγ-アミノ酪酸高含有素材の製造法を検討した. カボチャによるグルタミン酸のγ-アミノ酪酸への変換反応では,グルタミン酸脱炭酸酵素の補酵素であるピリドキサル5'-りん酸が,γ-アミノ酪酸生成量に影響していることがわかった.また,γ-アミノ酪酸生成の最適な温度,pH等の条件について検討した結果,カボチャとグルタミン酸だけで,10%以上と高含有量のγ-アミノ酪酸をカボチャに付加することができた.このカボチャ粉砕液の水溶性成分を乾燥したカボチャ加工品には,高血圧自然発症ラット(SHR)に対する血圧上昇抑制効果があることを確認した.