嗜好性飲料が有するO2-の消去活性(SOSA)の測定に対して,新しく開発されたSOD活性測定法,すなわち水溶性テトラゾリウム塩WST-1をO2-の検出プローブとして用いるWST-1法と,ルシゲニンの化学発光に基づくFIA法を応用した.得られた結果を従来法の一つであるESR法の測定結果と比較して,それらの方法の食品試料への適用性を調べた. (1) 食品試料中にはWST-1を直接還元する物質が存在した.しかしながら各試料を20-100倍に希釈することで,その直接的還元を無視しうるレベルまで抑えることができた.各試料が50%阻害を示す希釈倍率は180-3000倍で,WST-1の直接的な還元物質の影響は3%以下であった.本法で得られた測定結果はESRの結果と比較的良く一致したが,ワイン,緑茶では低い値を,インスタントコーヒーでは高い値を示す傾向が認められた. (2) 希釈食品試料の繰り返し分析においてCL-FIAシステムは良好な安定性を示した.また食品試料とルシゲニンとの間の非特異的な発光は認められなかった.本法で得られたSOSA値とESR法との測定結果との間には相関係数0.908の良好な直線関係が成立し,本法が食品試料に対して高い適用性を有していることが明らかとなった.