デンプンを利用したゲル状食品の力学特性改良技術の確立を目的として,GDVMにより得られた各種デンプンの低濃度及び高濃度におけるG'値(GL及びGH)とデンプン含有量の異なる3種の食品の弾力性(EC)の関係を調べ,各食品に対するデンプン添加による効果を検討した. 1. ウルチ米デンプンを除けば,80℃で測定されたGHは,冷却後のデンプンゲルのECに対して相関を示した. 2. デンプンを添加した蒲鉾のECは,GHとは相関を示さずGLに対してのみ相関を示した.しかし,サツマイモデンプンと緑豆デンプンでは,ECに対する効果が相対的に低く,他と異なる傾向を示した. 3. ソーセージのECにデンプン添加の効果は認められたが,GDVM値とは,明確な相関を示さなかった. 4. デンプンを添加したゆで麺のECは,小麦デンプンに各デンプンを同比率加えた混合デンプンのデンプン粒粘弾性を反映するGHと相関を示し,さらに40%変形時の弾力性値も対応するGHと相関を示した.