植物起源の異なる各種デンプンの粘弾性をキサンタンガム溶液に分散させて糊化過程における動的粘弾性挙動を測定するゲル分散動的粘弾性測定(GDVM)により求め,ラピッドビスコアナライザー(RVA)を用いた測定による結果と比較した. 1.3種類のデンプン濃度で測定したGDVMから得た特定温度における粘弾性値( G' , G” ,tanδ)を用いて,各種デンプンの粘弾性を特徴づけ,採取した植物部位(根茎及び種子)及びデンプン成分(ウルチ及びモチ)により類別できた. 2.高濃度のGDVMにより得られた粘弾性値がデンプン粒の粘弾性を反映し,キサンタンガムの影響はほとんど受けないことを修正kerner式を用いて説明した. 3.根茎デンプンやモチ系種子デンプンでは,低濃度においても,GDVMによる粘弾性値は膨潤したデンプン粒の性質を反映するが,膨潤度の低いウルチ系種子デンプンでは,デンプン濃度20%以下になるとデンプン粒の粘弾性を反映しなかった. 4.RVA粘度特性値も各種デンプンをGDVM粘度特性値と同様に類別できた.デンプン濃度の低い G' は,各RVA粘度特性値(最高粘度,最低粘度,ブレークダウン,最終粘度)と有意な相関を示し,最終粘度との間で最も高い相関を示した.