大豆臭を減少させる目的で脱脂大豆粉を用い,対照として大豆を用いてヨーグルト様食品を調製した.豆乳を得るたあの呉や脱脂粉乳懸濁液の加熱を電子レンジ加熱で行った場合,通常の加熱方式である沸騰湯浴中での加熱に比較してタンパク質の抽出効率がよくなり,生成する豆乳中のタンパク質濃度が上昇した.また,得られた豆乳中のリポキシゲナーゼはいずれの加熱方法でも約80℃で失活した.それに対して豆乳中のトリプシンインヒビター活性は,電子レンジ加熱よりも沸騰湯浴中の加熱の方が減少したが,ほぼ50%の活性が残存した,豆乳を乳酸菌 S. thermophilus で発酵させた後には,トリプシンインヒビター活性は更に減少し,約30%になった. ヨーグルト様食品の嗜好性を高めるために,脱脂大豆粉から得た豆乳にそれと等量の市販牛乳を加えて発酵させた.このヨーグルト様食品には有機酸として0主要な乳酸の他にクエン酸やα-ケトグルタール酸の含まれることがHPLCによる分析で判明した.この食品の大学生32名による官能検査では,脱脂大豆粉から得た豆乳を用いたことが有効に作用し,大豆自体を使用した場合の大豆臭などの問題点が改善されており,かなり高い評価が得られた.