台湾産の乾燥仙草から弱アルカリ性で濃褐色の粗抽出物(CEM)を得た.CEM自体ではゲル化しないが,薄いタピオカデンプンとともに急速糊化,冷却すると寒天様の堅いゲルになる.この現象をレオロジー的に研究した.タピオカデンプンと糊化したとき,RVA粘度,ゲルの動的弾性率が増加した.ジャガイモデンプン,モチトウモロコシデンプンでも同様にCEM濃度に比例して増加する挙動が認められたが,tanδからはCEM濃度は2%でよく,デンプン濃度は5%で飽和した.日本産シソ抽出物ではデンプンをゲル化させる作用は認められず,この作用は仙草抽出物特有のものと考えられる.タピオカデンプンをあらかじめ完全分散してCEMと再糊化するとゲル化しないので,このゲル化には膨潤したデンプン粒子が必要と考えられる.CEMのpHを7.0に調整し,あるいはCEMを透析するとより堅いゲルが得られた.