DPSL法(間欠的植物ホルモン混合溶液浸漬と人工太陽灯照射併用処理栽培法)によるリョクトウ,ダイズ両太もやしの生長は,胚軸,根部ともに伸長度は抑制され,胚軸が肥大し,側根数は減少し,硬度と咀嚼度が強化され,市場の許容範囲に合致して外観品質が向上した. 胚軸部の表面色調は,太陽灯照射処理により両太もやしともに淡黄色から薄黄緑色の着色様相を示し,野菜感覚及びサラダ感覚での利用範囲の拡大などの付加価値の付与が認められた. 水分含有量と収穫量は,両太もやしともに水みずしさに欠け,水分含有率が低く,収量の増加効果は認められず,栽培条件の整備,再検討が必要となった. 三大成分含有量のタンパク質,糖質は増加し,脂肪は減少した. 水溶性ビタミン含有量は,両太もやしともに栽培日数の増加とともに増加し,VB1のみ減少した. クロロフィル含有量は,両太もやしともに栽培1-2日目では含有されず,3日目より生成され,栽培日数の増加とともに顕著に増加した. カロチン含有量は,リョクトウ太もやしではControlでは含有されず,栽培3日目より含有され,ダイズ太もやしでは種子中に極微量含有され,両太もやしともに栽培3日目以後増加傾向を示したが,クロロフィルに比して増加量は少ない様相を示した. DPSL法は,豆類太もやしの生長と含有成分及び外観品質の向上を促し,太陽灯照射により胚軸部に着色性をもたらし,付加価値の付与による利用面の拡大など,栽培法として有益となった. 一方,収量は,両太もやし個体の生長抑制による嵩の減少と低水分化により増加効果は認められなかった.